2007年08月29日
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19巻・ハルナのパンチラは何を表現しているのか

Written By: 川俣 晶連絡先

 172時間目で古菲との対決に負けたハルナは、尻餅をついてスカートの中のパンツを見せています。

 この描写は、シリーズ全体的な流れから見ると引っかかるものがあります。なぜなら、この作品のパンチラ担当は本屋であって、ハルナではないからです。

 もちろん、必然性があれば誰のパンツだろうと見える作品ではありますが、このシーンでは唐突感があります。

 しかし、よく考えると、このシーンでハルナがパンツを見せる必然性が存在することが分かりました。

 このシーンでパンツを見せるという描写は、自分の弱点を相手に対して安心してさらけ出すという状況を意味します。

 それは、相手に対する親しさや好意を意味します。

 一見して緊迫した戦いを見せるハルナと古菲ですが、それは一種の「じゃれ合い」であって、互いの好意と親しさを確信できるからこそ、過剰に行きすぎた対決が可能ということなのでしょう。

 つまり、パンチラは単なる読者サービスではなく、ハルナと古菲の関係が見た目通りではないことを表現する効果的な手段として描かれた……と見ることもできると思います。

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